遺伝子多型はワルファリン治療に貢献しうるか
日本血栓止血学会学術標準化委員会2006シンポジウムにおいて、「ワルファリンとファルマコゲノミックス-genotypingは必要か」という部会が開催された。詳細はMedical Tribune Vol.39, No.11(3月16日)に掲載されている。ワーファリンは、ビタミンK依存性の凝固因子を阻害し抗凝固作用を発揮する薬物である。この凝固因子の活性はシトクロームP4502C9(CYP2C9)に変異があると低下するとされる。すなわち、変異型を有する患者はワーファリン投与により副作用が出やすいため、投与量をあらかじめ考慮する必要がある。最近、CYP2C9にVKORC(vitamin K epoxide reductase)遺伝子とGGCX(γ-glutamyl carboxylase)遺伝子を加えた3つの遺伝子多型を統計学的に検証した結果、この多型の組み合わせがワーファリンの正確な予測量モデルになり得るのではないかと指摘している。
これを実証するには、症例の選択基準をきちんと作り、遺伝子変異型間でワーファリンの血中濃度が異なるかどうか、慎重に検討する必要があろう。さらに、このような薬物の副作用回避を目的とするオーダーメイド医療での遺伝子診断は、事前に遺伝カウンセリングが必須であり、カウンセラーの体制作りも急務である。
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